Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えぼしだけのちょうじょう

烏帽子岳の頂上

窪田 空穂

Lisez 烏帽子岳の頂上 (えぼしだけのちょうじょう) de 窪田 空穂 (くぼたうつぼ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 432 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

「あれが頂上だろう」

私はそう思って、静かに歩みを移して行った。

岩を伝って下ると、そこには偃松が絶えて、低い草と花の咲いている高山植物の生えつづいたところとなった。そして、崖と反対の側には、この峰の瘤とも見えるような小さな丘が並んでいた。

その丘のほうを見た私は、見た一点を見詰めさせられた。

私の脚もとから、細い、一本の竿の曳く影とも見える影が、草生の上を伸び伸びして、四五間、六七間も伸びて、その丘の斜面を這い上っている。そしてそこに一つの円を映して尽きている。その円を中心に、径一間もあろうかと思われる虹が立っている。空に見るような色彩の多種なものではなく、僅かに青と赤ぐらいではあるが、それは丘の斜面の青い、幾分の靄を含んだ上に、持って行って置いたかのように、じっと、にじみ加減になって映っているのである。

「何だろう?」と私は一と目見た時には怪しんだが、すぐに、自分の影の外の何物でもないと心付いた。しかし、そうした影を眼にしたことのない私には、珍しいというよりは不思議なものであった。

私はその影を眺めていた。薄れもせず、消えもせず、いつまでも映っている。