Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えぼしだけのちょうじょう

烏帽子岳の頂上

窪田 空穂

Lisez 烏帽子岳の頂上 (えぼしだけのちょうじょう) de 窪田 空穂 (くぼたうつぼ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 432 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

眼が覚めると一しょに、私はテントから這い出した。着ものは夜も昼も一つものである。着がえといえば、靴下を脱いで、甲掛足袋と草鞋とを穿くだけであった。

昨日、朝から夕方まで、殆ど四つ這いになり通してこの烏帽子岳の乗越まで登った、その疲れはほぼぬけてしまっていた。寝しなには、「眠れるか知ら……」とあやぶんだが、気を落ちつかせていると、いつか寒さを忘れて眠ってしまったらしく、今は、眠りの足りたあとにだけ感じる一種の快ささえある。

三つのテントの側に、それぞれ焚火をしていた。人夫が朝飯の用意にかかっているのである。私たちの側には、三人の人夫が火を焚いたり、鍋をあつかったりしていた。案内はまだ起きて来ないらしい。「お早う、」といって私は焚火の側へ寄って行った。太い枯木と偃松との積み重ねは、煙りながらも赤黒い炎を吐き立てている。

「お早うござんす、」と人夫は笑顔で迎えながら、簡単に挨拶をかえした。

「寒いね、」と私は双手を火の上に翳して暖まろうとした。

「ええ、でもお天気で何よりです、」と年寄の人夫は、その細い眼に嬉しそうな笑みを浮べながら云った。

「降られちゃ大変だろうね」