Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
それも途中でつめたくなったんじゃなく、生れた時からつめたかったんだ」
それじゃおれも貢取りになればよかったなと、彼は冗談めかして言い返したけれど、この税務吏員にしても美加子にしても、つまるところは関係のない第三者なのだ。微妙な経緯が判るわけがない。幸太郎は生きていてはいけない。栄介にとって彼は、すでに死んでいなければならぬ人間であった。それがどうして彼等に理解出来るだろう?
「昔、〈舞踏会の手帳〉という映画があったじゃないの。あんな気持じゃないかしら」
「〈舞踏会の手帳〉? するとおれは――」
栄介は苦笑いをしながら答えた。
「訪ねられる方の役割か。落ちぶれて――」
そこまで言いかけて、あとは無言で飯をかっこみ、そそくさと書斎に戻って来た。机の前に坐って、も一度絵ハガキを読み返し、破り捨てようとしたとたん、彼は卒然として最初の幸太郎の手紙のことを思い出した。あの手紙も破り捨てようとしたのだ。あれは学校の同僚との忘年会で、彼はひどく酔っぱらった。酔ってタクシーで戻って来た。財布をしまい込もうと机の引出しをあけたら、分厚い幸太郎の封書がまず眼に入って来た。