Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lisez 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 289 044 caractères · 575 écrans

Aozora Bunko

私はこれまで自分はお化けになれないと思っていたけれどもこの分ではやや有望です。

ふと思いついてひとり笑えます。だって、私は義務読書の中で、一度もこんなばけたい話まではしなかったから。ニヤリとなさるだろうと思って。でも、それは私の具象性でしかたがないのでしょう、見たもの、ここにあるもの、見たところで今日あるもの、その三つの点が生々しく関係しあって、そこの街の匂いとともに顔をうって来るのだから、どうもこたえるわけです。「広場」の後篇なのですものね。

お化けなんて可笑しいけれども、先、盲腸をきったとき、手紙のこと一寸申上げたでしょう、覚えていらっしゃるかしら。「役に立たなくてよかったね」と云っていらした手紙のこと。よく云うでしょう? 自分のごく親愛なものが死ぬとき、そのひとのところへ現れるって。父さえ私のところへはあらわれなかったから、自分のような性質のものは、やっぱりきっとあっさりしちまって迚も挨拶なんかしないだろうし、おばけにもなれそうがない、と思ったのでした。可笑しいでしょう、そして、それは残念だから手紙かいてちゃんと用心していたのだから。ちゃんと化けられる自信がつくまで、手紙はすてられないわ。