Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lisez 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 289 044 caractères · 575 écrans

Aozora Bunko

そう考えると一層異様です。私はほんとに何となしそれから先へ、行くところへ誘いましたね。どうして誘ったのでしょう、どうして何となしいらしたでしょう。

きょうの漫歩はあつい漫歩であったけれど、そのあついという字にどの字をあてはめたらいいのでしょう。炎天の下に秋の夕暮の靄が湧いて、そのなかに自分たちであって今の自分たちではない、自分たちの姿を見る白昼の街は独特の趣でした。

誰かが冗談のように電車代だと云って十四銭くれて、私も笑いながら「これ上げるわ」と十銭だまを掌へあげて、まるでさっさと「じゃさよなら」と別れました。でもどうして、まるでさっさと別れたことを、こんなにはっきり知っているのでしょう。

膝の上の例の袋には、冨美子のお土産に三田通の青柳で買ったもなかが入っています。省線のとなりにかけた女の子が、ぐるりとエビスをまわるものだから「この電車新宿へ行きますかしら」と心配そうに訊きます。

エビスのよこのビール会社の空地にビンの丘があって、西日にキラリと光りました。ああ、こんなにあっても足りないのかな、と感心したりして。この頃はソースにしろカルピスにしろ、ビールはもちろん、ビンなしでは買えませんから。