Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いなかもの

田舎者

豊島 与志雄

Lisez 田舎者 (いなかもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 181 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

すると「若禿」はぐったりとなって、卓子の上につっ伏してしまったのだった。

岸本は立上って、スタンドの方へ歩みより、マダムをよんで、アブサンを一杯もらった。何かしら酔っ払いたい気持だった。コップの水にアブサンが牛乳のように混和してゆくのを、心地よく見つめて、その眼をずらしていくと、すぐ前に、マダムの笑顔があった。

「子供のこと、本当ですか。」と彼は囁いた。

マダムはにっこりうなずいて、今まで知らなかったのですかと、囁き返すのだった。彼が知らないでいるのが不思議そうらしかった。依田さんの奥さんが引受けてくれてるのであって、このバーも奥さんの後援で、一々会計報告までもするんだそうだった。そこで一寸眼をしばたたいて、まるでだしぬけに、涙ぐんでしまったのだが、もうすぐに笑顔をしてるのだった。いつもより老けて、眼尻の皺が目立った。岸本はコップの白い酒をあおった。

あーあ、とわざと大きな欠伸の声がすると、マダムはするりとそこをぬけて、声の方へやっていった。棕梠竹の葉影に彼女のすらりとした姿がつっ立って、それが何やら小さく首をふると、わーっと歓声があがって、サチ子はまたビールの瓶を持っていった。