Classiques japonais avec furigana
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しゅうふうふき
秋風不帰
山本 周五郎
Lisez 秋風不帰 (しゅうふうふき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 593 caractères · 28 écrans
五
父はあの通りの人間で理由もなく乱心するとか、しかもお上へ刃を向けるなどという事は有得ない。……拙者は有得ないと信ずる。七沢、なにか仔細があるのではないか、なにか」
「正直に云うが、拙者にはなんとも返答が出来ない」
吉郎兵衛は苦し気に眼を伏せた。
「貴公だけでなく、与右衛門殿の気質を知っている者は、誰しも乱心などということは考えられないだろう。そのために色々と噂も立った。しかし実否はどこまでも知る法がない」
実否を知る法がない筈はない。
五
夏雄は膝を進めた。
「父が逆上したという時、御前にいて刺し止めた近習番というのは誰だ」
「一人は井上銀之丞、しかしこれは駆けつけたとき既に与右衛門殿は絶命していたという。他に四人いたのだが、誰々だか分らない」
「どうしてだ、なぜ分らぬ」
「御家老の申付けで秘中されたと聞いた」
「御家老。……小野国老か」
「そうだ」
夏雄はふっと口を噤んだ。
――果してなにかある。
そう直感したのだ。筆頭家老小野儀兵衛は権望家で、才腕もあると同時に専横を以って聞え、藩政は殆どその手に掌握されていた。近年はまるで秘密政治の観さえあったほどだ。……武辺一徹の父は政治向きに就ては全く語らない方だったが、それでも或る時、