Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅうふうふき

秋風不帰

山本 周五郎

Lisez 秋風不帰 (しゅうふうふき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 593 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

莫遮、夏雄の胸はいま帰郷の感動でいっぱいである。帰路は駄馬の脚がはずむという。五年相見ぬ家がもうそこに近づいているのだ。父を思い、兄を想い、友の誰彼を思う心は、そのまま足に表われて、一日路には無理な山路を元気いっぱいに歩き通して来たのだった。

お城の天守を染めている西日が落ちた。

晩秋の遽しい黄昏が、町外れのごみごみした家並の軒に這い始めて、帰り惜しむ童たちのけざわしい唄声が、裏街の方からもの哀しく響いて来る。

――あの角を曲れば家が見える。

樽屋町へかかって、二三丁先にある四辻の大松をみつけて彼が、ふっと胸を熱くしながらそう呟いたとき、

「……狩谷氏ではないか」

と、うしろから声をかけられた。

夏雄は知人の誰かだろうと思って、不用意に振返る、その面上へ、意外にもいきなりぱっと抜打ちをかけられた。

意外と云って、このくらい意外なことはないだろう、五年振りで帰る家をま近にして、こっちは気もそぞろに急いでいるときだ。……それをうしろから呼止められて、物も云わず抜打ちを掛けられたのだから、不意も不意、全く絶体絶命の一刀だった。

しかし、相手も焦っていたらしい、間合が僅かに外れて、あっと反った夏雄の面上を、一寸遠く白刃が辷った。