Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

台所に食卓が出されて、金五郎、マン、勝則、ババンの四人が坐った。

漁と巡査の話をしていると、時計が、チン、チン、と、二つ鳴った。

「ありゃ、もう、二時かや?」

ババンが、頓狂な声を立てた。

沢庵で、茶漬を食べ終った金五郎は、なにかを思いだしたように、立って、奥に入った。すぐに出て来ると、黒革の財布を持っている。それを、ぽんと、マンの前に投げた。

マンは、素知らぬ顔で、手に取り、

「あれ、この財布は、東京でチボに掏られたと、いいなさッとッたんじゃないですか」

「そうよ」

「それが、どうして?……」

「東京には、面白い掏摸が居るなあ。いっぺん盗んどいて、送りかえして来たよ。中を調べてごらん。なに一つ、のうなっとらん。銭も入れたままじゃ。おマン、昔、泥棒に入って来て、六円盗んで、……いや、お前がやったんじゃったなあ、……その六円を、一年目くらいに送りかえして来たのがあったじゃないか。その財布を盗んだ掏摸も、その同じ伝かも知れんよ」

財布の中からは、お京の手紙だけが抜いてあった。

「お父さん」

「あん?」

「そのチボは、男?……女?」

「そんなことが、わかるもんか」

「女じゃないか知らん?」