Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

「よし、みんな、引きあげろ」

その号令で、部下たちは、いっせいに、刀を収った。ぞろぞろと、塀に添った暗い植えこみの中に消えて行った。

「どうぞ、肌を入れて下さい」

そういわれて、金五郎も着物を着た。立った。鳥打帽の男に、これまでになかった或る威圧を感じていた。

(このあたりの者じゃない。何者か知らん?)

その疑念が強くなって来た。

「玉井の親分さん」

唐獅子の彫青を包んでから、相手は、静かな語調で、呼びかけて来た。

「うん?」

「危いところでしたな。あなたは命拾いしましたよ。わたしは金儲けの傭われ兵だから、あなたを脅迫するだけで、商売はすんではいたんですが、……もし、あなたが玉井金五郎さんでなかったならば、ひょっとしたら、あなたを斬っていたかも知れませんなあ」

謎めいた言葉に、金五郎は、ただ、無言で、相手を見つめた。

奇妙な男は、しんみりした口調になって、ひとり言のように、

「わたしは、十五年ほど前、たいへん世話になった親分を斬ったことがありますが、今、そのことを思いだしていましたよ。或ることで、親分と意見が衝突したんです。ひどく罵倒されて、血気盛りで、若かったわたしは、かっとなって、思わず、匕首を抜きました。