Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

三々五々、黒い影になって、仲仕たちは帰って行く。そのなかに、谷口林助と、マンも、まじっていた。肩をならべて歩きながら、兄妹は、口をきかなかった。足どりも、重い。

背後で、プッ、プウッ、と、ラッパの音が起った。提灯をつけた一台の人力車が、景気よく、横を走りすぎて行った。

「兄さん、親方さんじゃないけ?」

「そうよ、これから、オメカケさんのところに行きんさるとよ」

二人は、また、黙って歩いた。

運河に添って行くと、遠くに、長屋の灯が見えて来た。誰か、井戸端で、洗濯をしている。

「兄さん」

なにか考えながら、重い足どりで歩いていたマンが、顔をあげた。

「あン?」

「女って、損ねえ」

「なにが、損か」

「はじめから、男とは段ちがいに、定められてしもうとる。なんでも、下廻りばっかりで……」

「そら、しかたがないわ。昔から、そうなっとるんじゃから」

「なぜ、そうなっとるの? それが、あたし、おかしいのよ。いいえ、はがいいのよ。仲仕だって、そうでしょ。男が一人前とるのに、女は六分、そりゃあ、女は男ほどの仕事はできんかも知れんけど、男の中にだって、女の半分もできん人があるんじゃけ。