Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなび
花火
Lisez 花火 (はなび) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 233 caractères · 29 écrans
母に尋ねた。母は落ちついて、着物がひとりで出歩くものか、捜してごらん、と言った。節子は、でも、と言いかけて口を噤んだ。廊下に立っている勝治を見たのだ。兄は、ちらと節子に目くばせをした。いやな感じだった。節子は再び箪笥を捜して、
「あら、あったわ。」と言った。
二人きりになった時、節子は兄に小声で尋ねた。
「売っちゃったの?」
「わしゃ知らん。」タララ、タ、タタタ、廊下でタップ・ダンスの稽古をして、「返さない男じゃねえよ。我慢しろよ。ちょっとの間じゃねえか。」
「きっとね?」
「あさましい顔をするなよ。告げ口したら、ぶん殴る。」
悪びれた様子もなかった。節子は、兄を信じた。その訪問着は、とうとうかえって来なかった。その訪問着だけでなく、その後も着物が二枚三枚、箪笥から消えて行くのだ。節子は、女の子である。着物を、皮膚と同様に愛惜している。その着物が、すっと姿を消しているのを発見する度毎に、肋骨を一本失ったみたいな堪えがたい心細さを覚える。生きて甲斐ない気持がする。けれどもいまは、兄を信じて待っているより他は無い。あくまでも、兄を信じようと思った。
「売っちゃ、いやよ。