Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなび
花火
Lisez 花火 (はなび) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 233 caractères · 29 écrans
勝治は父の画を盗んだ。それは、あきらかに勝治の所業であった。その画は小さいスケッチ版ではあったが、父の最近の佳作の一つであった。父の北海道旅行の収穫である。およそ二十枚くらい画いて来たのだが、仙之助氏には、その中でもこの小さい雪景色の画だけが、ちょっと気にいっていたので、他の二十枚程の画は、すぐに画商に手渡しても、その一枚だけは手許に残して、アトリエの壁に掛けて置いた。勝治は平気でそれを持ち出した。捨て値でも、百円以上には、売れた筈である。
「勝治、画はどうした。」二、三日経って、夕食の時、父がポツンと言った。わかっていたらしい。
「なんですか。」平然と反問する。みじんも狼狽の影が無い。
「どこへ売った。こんどだけは許す。」
「ごちそうさん。」勝治は箸をぱちっと置いてお辞儀をした。立ち上って隣室へ行き、うたはトチチリチン、と歌った。父は顔色を変えて立ち上りかけた。
「お父さん!」節子はおさえた。「誤解だわ、誤解だわ。」
「誤解?」父は節子の顔を見た。「お前、知ってるのか。」
「え、いいえ。」節子には、具体的な事は、わからなかった。けれども、およその見当はついた。