Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おちむしゃにっき
落武者日記
山本 周五郎
Lisez 落武者日記 (おちむしゃにっき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 460 caractères · 23 écrans
「そこまで心を決められては、いかな責め道具も歯がたつまい。……誰ぞ、その繩を解いてやれ」
みんな怪訝そうに眼をあげた。
「繩を解いて逃がしてやれと申すのじゃ」
そう云って、家康は床几から立ち、
「祐八郎とやら」
と振返って、
「治部どのに会ったらそう申しつたえてくれ、おひとがらには惜しい家来を持たれる、羨ましいことじゃと」
そして幕のかなたへ去って行った。
陣所から曳き出され、木戸の外へと解き放された祐八郎が、石山のほうへ歩きだしたとき、……うしろから名を呼んで追って来る者があった。
「大畑さま、お待ちあそばして」
振返ると、意外にも、あの農家の娘まつであった。
「まつどの、どうしてここへ」
「大畑さま!」
娘は側へ走せ寄ると、泣き腫らした眼をいっぱいにみひらいて、祐八郎の眼を見上げながらすがりつくように云った。
「わたくしも曳かれてまいりました」
「あなたも、……ではやはり拙者の言訳は通らなかったのか」
「でもいま許されましたの、あなたさまがお調べをお受けあそばすようすも、幕を隔てて伺っておりました、……おめでとう存じます」
「重ね重ね迷惑をかけて、詫びの申しようがありません、どうか許してください」