Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きょこうのはる
虚構の春
Lisez 虚構の春 (きょこうのはる) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 586 caractères · 108 écrans
――よく、つかまらなかったね。
――ばかだから、つかまるのです。また、つかまっても、一週間やそこらで助かる手もあるのです。そのうちに私、スパイだと言われたり何かして、いやになって、仲間から、逃げることだけ考えていました。そのころは、毎夜、帝国ホテルにとまっていました。やはり作家、海野三千雄の名前で。名刺もつくらせ、それからホテルの海野先生へ、ゲンコウタノムの電報、速達、電話、すべて私自身で発して居りました。
――不愉快なことをしたものだね。
――厳粛なるべき生活を、茶化して、もてあそびものにしているのが、不愉快なのでしょう。ごもっともでございますが、当時、そんなことでもしなければ、私、おそらくは三十種類以上の原因で、自殺してしまっています。
――でも、そのときだって、やっぱり、情死おこなったんだろう。
――ええ、女が帝国ホテルへ遊びに来て、僕がボオイに五円やって、その晩、女は私の部屋へ宿泊しました。そうして、その夜ふけに、私は、死ぬるよりほかに行くところがない、と何かの拍子に、ふと口から滑り出て、その一言が、とても女の心にきいたらしく、あたしも死ぬる、と申しました。