Classiques japonais avec furigana
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しのげんり
詩の原理
萩原 朔太郎
Lisez 詩の原理 (しのげんり) de 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 153 641 caractères · 305 écrans
、空しく取り散らされた多くの言語が、無意味不可解の闇の中で、永く幽霊のように迷っている。此処に説く「象徴」という観念も、この怨めしき亡魂の一つであって、かつてずっと早くから我が国に輸入され、一時詩壇で流行したるにかかわらず、早く既に廃ってしまい、しかも今日尚、言語は不可解のままに残されている。
抑々「象徴」とは何だろうか? 一言にして言えば、象徴の本質は「形而上のもの」を指定している。本質に於て形而上的なるすべてのものは、芸術上に於て象徴と呼ばれるのである。然るに形而上的なるものは、主観の観念界にも考えられるし、客観の現象界にも考えられる。換言すれば、時間上に考え得られる実在もあり、空間上に考え得られる実在もある。これを芸術上で見れば、前者は人生観のイデヤにかかわり、後者は表現上の観照にかかわっている。そこで象徴という言語にも、二つの異った意味が生じてくる。先ず前のものから説明しよう。
先に他の章(人生に於ける詩の概観及び芸術に於ける詩の概観)で述べたように、詩的精神の第一義感的なるものは、何よりも宗教情操の本質と一致している。その宗教情操の本質とは、時空を通じて永遠に実在するところの、或るメタフィジカルのものに対する渇仰で、霊魂の故郷に向えるのすたるじや、思慕の止みがたい訴えである。