Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しのげんり
詩の原理
萩原 朔太郎
Lisez 詩の原理 (しのげんり) de 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 153 641 caractères · 305 écrans
第十五章 詩と民衆
しかし小説に於ては隠すべきだ。」
** 「俗物」という観念は、世間的にしばしば趣味の低い人や、金銭の利殖に熱心な人を指している。だがこうした俗解は誤っている。なぜなら、世の中には、殆ど没趣味な人間でありながら、宗教や道徳の正義を感じているような義人があるから。また銭屋五兵衛や紀文の如く、生涯金銭の利殖を求めていて、しかも詩人的にロマンチックな人物もいる。仏蘭西啓蒙期の詩人ウォルテルの如きも、非常に実利的で利殖に抜け目のない人物でありながら、しかも当時一流の人間的情熱家だった。畢竟上述のような俗解は、風流人の対語として考えられている観念である。それは何の俗物でもなく、単に非風流人――風流を解せぬ人物――と言うにすぎない。
第十五章 詩と民衆
詩という文学は、元来言って公衆的の文学でない。日本でも西洋でも、詩の読者は限定されており、小説のように多方面の読者をもっていない。この広く読まれるという点からすれば、詩は到底小説の比較でなく、民衆的の通俗性がないのである。けだし詩は文学の山頂に立つものであり、精神の最も辛辣に緊張した空気の中でのみ、心臓の呼吸をする芸術であるからだ。