Classiques japonais avec furigana
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たいほしゅぎしゃ
退歩主義者
Lisez 退歩主義者 (たいほしゅぎしゃ) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 703 caractères · 20 écrans
泥棒でも人殺しでも、いつでもできる冷静な心境であった。
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馬吉は横ッ腹を蹴られて目をさました。相手は道具方の熊さん、この小屋随一の腕ッ節であるから、歯が立たない。
「オイ、よせよ。蹴らなくッたっていいじゃないか。今起きるよ」
「邪魔だから、消えて失せろい」
馬吉は渋々起き上ったが、熊さんはツマミだしかねまじき殺気立った見幕であるから、馬吉は益々物欲しくなるばかりである。
「なア、熊さん。ホーバイのヨシミじゃないか。センベツ包んでくんないか」
「よしやがれ。消えて失せろといったら、分らねえのか」
馬吉はあきらめて歩きだした。どうも仕方がない。どうせ盗むなら、勝手知ったるこの小屋が心易くていいのだが、監視厳重だから、どうにもならない。出口に楽屋番が睨みつけて、早く出て行けという気勢をすさまじく示している。
「なア、オイ。ヨシミじゃないか。いくらか包んでくれねえか、センベツよ。恩にきるよ」
どうせムダとは分っているが、思うことは言ってみる必要がある。楽屋番は返事の代りに裏口の扉をあけて、彼の襟クビをつかんで、突き放した。彼がよろけているうちに、扉がしまった。