Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みちくさ
道草
Lisez 道草 (みちくさ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 812 caractères · 293 écrans
七十五
彼は世帯を持つときに、火鉢や烟草盆を一所に買って歩いてもらった友達の宅へまた出掛けた。
「金を貸してくれないかね」
彼は藪から棒に質問を掛けた。金などを有っていない友達は驚ろいた顔をして彼を見た。彼は火鉢に手を翳しながら友達の前に逐一事情を話した。
「どうだろう」
三年間支那のある学堂で教鞭を取っていた頃に蓄えた友達の金は、みんな電鉄か何かの株に変形していた。
「じゃ清水に頼んで見てくれないか」
友達の妹婿に当る清水は、下町のかなり繁華な場所で、病院を開いていた。
「さあどうかなあ。あいつもその位な金はあるだろうが、動かせるようになっているかしら。まあ訊いて見てやろう」
友達の好意は幸い徒労にならずに済んだ。健三の借り受けた四百円の金が、細君の父の手に入ったのは、それから四、五日経って後の事であった。
七十五
「己は精一杯の事をしたのだ」
健三の腹にはこういう安心があった。従って彼は自分の調達した金の価値について余り考えなかった。さぞ嬉しがるだろうとも思わない代りに、これ位の補助が何の役に立つものかという気も起さなかった。それがどの方面にどう消費されたかの問題になると、全くの無知識で澄ましていた。