Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みちくさ
道草
Lisez 道草 (みちくさ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 812 caractères · 293 écrans
五十四
もう二、三日食物が通らなければ滋養灌腸をするはずだった際どいところを、よく通り抜けたものだなどと考えると、生きている方がかえって偶然のような気がした。
「女は詰らないものね」
「それが女の義務なんだから仕方がない」
健三の返事は世間並であった。けれども彼自身の頭で批判すると、全くの出鱈目に過ぎなかった。彼は腹の中で苦笑した。
五十四
健三の気分にも上り下りがあった。出任せにもせよ細君の心を休めるような事ばかりはいっていなかった。時によると、不快そうに寐ている彼女の体たらくが癪に障って堪らなくなった。枕元に突っ立ったまま、わざと樫貪に要らざる用を命じて見たりした。
細君も動かなかった。大きな腹を畳へ着けたなり打つとも蹴るとも勝手にしろという態度をとった。平生からあまり口数を利かない彼女は益沈黙を守って、それが夫の気を焦立たせるのを目の前に見ながら澄ましていた。
「つまりしぶといのだ」
健三の胸にはこんな言葉が細君の凡ての特色ででもあるかのように深く刻み付けられた。彼は外の事をまるで忘れてしまわなければならなかった。しぶといという観念だけがあらゆる注意の焦点になって来た。