Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とかいのゆうき

都会の幽気

豊島 与志雄

Lisez 都会の幽気 (とかいのゆうき) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 559 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

私は喫驚して歩き出した。すると今度は、私と同じように酔っ払って帰り後れた愚かな男の影が、私の身にぴったりとくっついてきた。

私はもう歩くことも立止ることも出来なくなった。同じ場所を同じ時刻に同じような姿をして、嘗て歩いたろう人影や嘗て佇んだろう人影が、何処からともなく飛び出してきて、私にぴったりくっつこうとする。ただ茫とした捉え難い影で、いずれも、同じようでありながら全然異っている。

そうして私は、下宿までの僅か四五町の裏通りの中に、一々数えきれないほどの人影を、というより寧ろ、人の気を見た。石塀の先端、差し出てる植込の枝下、垣根のほとり、門口の廂の下、電柱の立ってる三つ辻、溝の横の標石の上、往来に面してる窓際、其他凡そ人の身を置き得るあらゆる場所に、歯をくいしばった者、何かを見つめてる者、眉根をきっと寄せてる者、白い歯並をむき出して笑ってる者、髪を振乱してる者、其他嘗ていろんな人がしたろういろんな姿が、それと定かに表情は分らないが、ただ気配でそういう風に感ぜられる、茫とした幽気となって、宙に浮いたように佇んでいて、通りかかる私の方へ、ふらふらと寄って来て、私の身体へぴったりくっつこうとした。