Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さかやのワンこう

酒屋のワン公

小川 未明

Lisez 酒屋のワン公 (さかやのワンこう) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 3 017 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

けれど、雨は、容易にやみそうもなく、青い電の光は、身のまわりを縫うようにひらめき、すぐ頭の上では、いまにも落ちそうに雷が鳴ったのです。彼は、めったに、こんな怖ろしいめにあったことはなかったのでした。

「ワン公、どうだ。主人ににらまれるのと、どっちがこわい?」と、暗い、御堂の内から、声がしたような気がしました。

彼は、じっと自分をにらむ、意地悪そうな主人の目を思いうかべました。また、自分を犬の歩きつきに似ている、といってあざ笑う近所の子供たちの顔を目に描きました。すると、この自然の怖ろしさは、さすがに公平であるというような気がしたのです。なぜなら、自分ひとりが怖ろしいのでない。しかし、主人の目は、ひとり、自分にばかり注がれているように考えられたからです。彼は、公平な神さまに向かって訴えたなら、あるいは、自分の願いを聞いてくだされないことはないという気がした。

「神さま、どうぞ、私をお助けくださいまし。」と、彼は、答えるかわりに、暗い、御堂の内に向かって手を合わせて拝んだのです。

いつしか、雨は、小降りとなり、雷はだんだん遠くへ去ってゆきました。

野中を流れている小川には、水がいっぱいあふれて橋の上を越えていましたから、どこが道だかわかりませんでした。