Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅうぶん

醜聞

山本 周五郎

Lisez 醜聞 (しゅうぶん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 900 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

四

「この袖を放せ」

「もしもあたしが帰らなければ、吾平が訴えて出ることになってるんだ」さくらは嘲笑するように云い、掴んでいる功兵衛の袖を、放されまいとしてもっと強く掴んだ、「さあ、それを覚悟のうえで、殺したければさっさと殺しなさいよ」

喉までこみあげてくる憎悪と怒りを、功兵衛はけんめいに抑えた。彼は立停って、女のほうへ振り向いた。

四

おれはばかなことをしたのだろうか、と功兵衛は自問した。これでますます深みにはまり、あの女の好きなように振り廻されるのではないか。いや、と彼は自分に云い返した。ごまかしはいけない、正面からぶっつかるんだ、さくらがなんのために帰って来たのか、どんな目的があるのか、それをはっきり慥かめるんだ、と彼は思った。

あの雪のたそがれの中で、彼は女に金を与え、それで衣類をととのえ、まともな姿になって「さのや」へ来いと云った。さのやは柳町にある料亭で、離れ座敷が三つあり、そこならば人に気兼ねなく話ができるからであった。――初めて降った雪は、根雪にならずに消えてしまい、二日めの今日はもう道もぬかってはいなかった。下城の刻がきたとき、役所の助席の寺田庄司が近よって来て、勘定吟味役はいつ代ったのか、と問いかけた。