Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のざらし

野ざらし

豊島 与志雄

Lisez 野ざらし (のざらし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 100 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

」

昌作は黙って唇をかんだ。

「まだきまらないの?」

「そんなに容易くきめられるものかね。」

「だって、つまりは分ってるじゃないの。」

「何が?」

「私ね、あなたが結局行らっしゃりはしないと思うわ。行こう行こうと思ってるうちに、やはり行かずじまいになるに違いないわ。」

昌作が黙ってるので、彼女は暫くしてつけ加えた。

「そうじゃないこと?」

「そうかも知れない。が……。」昌作は急に苛立った気持を覚えて、何かに反抗してみたくなった。そして云い出した。「行くかも知れないよ。いや、行くのが本当なんだろう。僕はぐうたらだけれど、忘恩者にはなりたくない。片山さんには非常に世話になってるんだ。年齢はそう違わないけれど、僕の第二の親とも云っていい位なんだ。中学二年の時に母を亡くして全く一人ぽっちになってからは、あらゆる面倒をみて貰ったんだからね。盛岡で、学校はしくじるし、女に……豚のような女に引っかかってどうにも身動きが取れないでいる時、片山さんはわざわざ盛岡までやって来て、僕を救い出してくれたのだ。母が亡くなる時に片山さんのお父さんに預けていた財産だって……勿論それは財産というほどのものじゃない、五六千円に過ぎないんだが、それも、僕の病気の時や、あの豚の女と手を切る時や、長い間の学費なんかに、もうずっと前から無くなってしまってる。