Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きんろう

金狼

久生 十蘭

Lisez 金狼 (きんろう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 438 caractères · 179 écrans

Aozora Bunko

……たしか釦のようなものだったが、……おい! このほうはどうだ」

……こんどはいくら待っても返事がなかった。久我の眼に苦渋なものがあらわれ、額がうす黒く翳ってきた。

西貝は食卓に頬杖をつきながら、騒々しい声で、

「こりゃ、いよいよドタン場だね。おい、バザロフ君、もう、観念して白状しろよ。それとも格率が違うから、自白なんて形式は認めないのかね」

古田は眼をいからせて、

「野郎、なんとかぬかせ! やい、罪もねえおれをブチこんでおいて、よくもぬけぬけとしていやがったな。……待ってろ! こんどは、おれがしょっ引いて行ってやるから」

顔をあげると、久我が、いった。

「いかにも僕は釦を拾いました。僕をひとごろしと思おうとなんと思おうと、それは諸君の勝手です。……だいたい、話もすんだようだから、僕はこれで失敬します」

上衣を持って立ちあがると、襖をあけて出て行った。

「野郎、逃げるか!」

古田は大声で叫びながら立ちあがった。那須は、待て、待て、おい待て、といいながら古田の肩に躍りかかった。

鱗雲の間から夕陽が細い縞になって、腐ったような水の面にさしかけている。

溜堀のなかには、筏に組んだ材木がいくつも浮かせてあった。