Classiques japonais avec furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lisez 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 160 770 caractères · 322 écrans
そんなことをいそがしく考えて、ためらっているうちに、若ものが手をはなして立ちあがったようすです。
「命はたすけてやる。鉄の箱を手にいれるまでは、きさまを生かしておかなくちゃ親分にしかられるからな。これから帰って、親分とそうだんして、また出なおしてくる。鉄の箱はどうしたって手にいれるつもりだから、そのつもりでいろ。」
若ものは、そんなことをいって、どこかへさってしまいました。
たちさったと見せかけて、どこかにかくれているのではないかと、賢吉君はしばらく、ようすを見ていましたが、いつまでたってもなにごともおこらず、ほんとうに帰ってしまったらしいので、おずおずと木のかげから出て、たおれている男に近づきました。男はまるで死んだようになっていましたが、賢吉君が顔をのぞいて、だきおこそうとすると、やっと目をひらいて、くるしそうな声を出しました。
「あ、きみか。おれはやられた。もうだめだ。箱をたのんだよ。おれが死んだら、川へすててくれ。それから、どうせ警察ざたになるだろうが、箱のことだけは、だまっててくれ。警察にも知られたくないんだ。きみのうちの人にもいっちゃいけないよ。