Classiques japonais avec furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lisez 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 160 770 caractères · 322 écrans
そのまっくらなろうごくの中に、学生服をきた、ひとりの少年が、しょんぼりとうずくまっていました。それが賢吉少年でした。たべものは、ちゃんと、はこんでくれますし、べつにひどいめにあうわけではありませんが、こうしの中に、とじこめられているのですから、どこへも行くことができません。はなしあいてもなく、なにも見えないまっくらな中に、じっとしているほかはありません。じつにさびしいこころぼそい身のうえです。
「いまごろ、小林さんや明智先生は、どうしているのかなあ。ぼくがここへつれられてきたことは、だれもしらないにきまっている。いくら名探偵の明智先生でも、気がつかないだろう。ああ、おとうさんにあいたいなあ。ぼくはなぜハヤブサ丸なんかに乗りこんだのだろう。よせばよかった。そうすれば、いまごろは、東京のおうちに、おかあさんといっしょにいられたのだ。」そうおもうと、賢吉君はいきなり、「おとうさん、おかあさん……。」と大きな声でさけびたくなりました。そして、両方の目から、あつい涙が、あふれだしてきて、ポロポロと、ほおをつたい落ちるのでした。
ふと気がつくと、こうしの外の岩壁に、チロチロと光がさしていました。