Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
「三輪の親分に、連れて行かれたと聴いたが、いいあんべえに許されて帰ったのか」
平次の調子は、何処までも穏やかで、許されて帰ったことを心から喜んでいそうです。
「お前さんは?」
新吉の眼には一瞬疑惑らしいものが動きましたが、やがてそれは、持ち前の自尊心に変って行く様子です。
「明神下の平次だよ」
「あ、銭形の親分さん」
「疲れているだろうが、少し話してみないか、お前に訊き度いことが沢山あるのだが――安心するが良い。俺は、いきなりお前を縛るようなことはしないから」
「三輪の親分は、いきなり殴って置いて、――証拠は皆んな挙っているんだ。白状しろ――ですって、そんな乱暴なことって、あるものですか」
「そいつは気の毒だったな。岩三郎が殺された時、庭に居たのはお前たった一人だし、ツイ疑い度くなるだろうよ。でも、お前は薪の束を切るのに、匕首の古いのを持って居たというじゃないか。その上左手に、奇月宗匠の脇差を抜いて、人なんか殺せるわけは無い、――宮本武蔵じゃあるめぇし」
「――」
新吉はフト誘われたようにニッコリしました。平次の調子が、ひどく親しさを感じさせた様子です。
「兎も角、裏の田圃へでも出てみようか」