Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
四
「お前の口吻だと、変ったことを待って居るようだぜ。御苦労だが、眼を離さないようにしてくれ」
「親分は?」
「俺は行くまでもあるまいよ」
平次はすまして居りますが、曲者は此隙を狙って、第二段の計画を樹てようとは、平次も思い及ばなかったでしょうか。
四
岩三郎のお逮夜。いとも賑やかに営まれました。あらゆる機会を利用して、お祭騒ぎと酒を呑むことを考えずに居られない人達は、祝儀、不祝儀の隔てなく、夜と共に呑むことばかり計画して居たのです。
逮夜の坊さんが帰ったのは薄明るいうち、抹香臭い一式の道具を撤すると、もう酒肴が運び込まれ、芸子が呼出されて、二階は一瞬にして、酒神の狂宴と変ります。
その席には、お妙は最初から出て、芸子と一緒に取持ちましたが、お滝は一度盛装の姿を見せて、新鮮な匂いに座の襟を正させたっきり、あとは顔も見せてくれません。
一座は主人の岩太郎、浪人者の篠崎小平、孫店の田屋甚左衛門、取巻きの奇月宗匠、手代の才六、それにお妙と妓共、最初から割れ返るような賑わいで、隅田川の河童を驚かし、その乱酒と狂態が、夜と共に深まって行くのでした。
「ところで、旦那、お滝の方はどうなさいました」