Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
三十六というにしては、少し若作りのお新ですが、絞め殺されて、ひどく人相が変っているにしても、身だしなみの良い、脂の乗り切った年増でした。
「何を考えてるんです、親分」
八五郎には、死骸をつくづく眺めている平次の突き詰めた顔の方が、よっぽど不思議そうです。
「首に溝が二重に出来ていることにお前は気がつかなかったか」
平次は顔を挙げました。
「そう言えばそうですね」
「お新のものだという真田紐の跡は、真っ直ぐに首に残って居るし、今朝死骸を藍染川から引揚げた時も、その紐が首に巻いてあったというが、その下にもう一と筋、少し斜めに細引の跡のあるのがわかるだろう」
「へェ、ありますよ」
「その細引の跡がくせものだよ――多分細引で殺して置いて、それからもう一度お新の真田紐で締めたことと思うが――」
「手数なことをするじゃありませんか」
「手数なことをするには、それだけのワケがあるだろう、お前は精一杯に人を集めて、此辺に細引が捨ててないか、溝も、川も、縁の下も捜して見てくれ」
「親分は?」
「俺は、五日の間お新が泊っていた場所を捜して来るよ、少し心当りがあるんだ」
「何処です」
「そいつは暫く言わないことにしよう」