Classiques japonais avec furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lisez 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) de 長谷川 伸 (はせがわしん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 753 caractères · 192 écrans
第三場 元の安泊り
博徒 (四、五人、駆け来る)身内の衆はいねえか。身方は総崩れだ、引きあげろ、逃げろ。(駆け去る)
時次郎 (物蔭に一時隠れる。出てきた時は、苫屋、大野木等の逃げた後)おお夜が明けた。(空が赤くなる。わッわッと喊の声が聞える)おう、八丁徳さんの方で凱歌をあげてるな。こうなりゃ俺の日当だけのことは終ったんだ。ああ気になり出した。行こう行こう、大急ぎで行こう。(驀然に宿の方へ走る)
第三場 元の安泊り
桜の花は咲き切ってもう散りかけている。おきぬの居た部屋はガランとして、僅かに香華を供えた名残りを見せている。沓掛時次郎が太郎吉を連れて出立した後である。
安兵衛 (茫然として縁側に腰かけ)婆さんや。もう大分行ったろうなあ。
おろく ああ、宿を、遠くはなれちゃったろうよ。(涙を拭く)
博徒 ご免ください。お声をかけましたが、一向ご返事がないので、失礼を弁えず押して通りました。真平ご免くださいまし。
安兵衛 はい、はい。こりゃ八丁徳さんの処のお身内の衆。
博徒 八丁徳がお目にかかりに参っております。
安兵衛 そうでしたか。それはどうも。まあ汚ねえがこっちへ。
博徒 へい、左様、申します。