Classiques japonais avec furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lisez 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) de 長谷川 伸 (はせがわしん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 753 caractères · 192 écrans
何故だろうなあ。
三次郎 おおかた、体の調子でも悪いのだろう。いくらいい女だって他人のもの、そう気にするのはお節介というもんだ。
金造 それがさ、今の様子では浮々と、嬉しそうにしているが、あれで一人になると鬱陶しい顔をして、どこを見詰めているのか、じっと眼を据えて、涙ぐんでいるんだとよ。俺もきのうの夕方、そういう処を見てしまったんだ。
三次郎 手前も見たのか――そうか。
金造 (三次郎に)叔父御もそれを知ってたのか。
三次郎 ううむ。とっくに気が付いていた。だが、だれだって所帯を持つとなれば、嬉しい中にも苦労はある。おさんちゃんだって稀には屈託な顔もするだろうし、溜息だってつくだろうよ。それを一々噂の種にする奴があるもんか。
金造 それなら俺あ気にしねえんだが、どうも只ではねえらしい。気になってならねえから、さっき政ちゃんに聞いてみたんだ。
三次郎 馬鹿、馬鹿だなあこいつは。ずけずけと当人に、そんなことを聞く奴があるもんか。
金造 まともに聞きやしねえよ。処がだよ、政ちゃんのいうのには、俺あ自慢じゃあねえが、自分の女に溜息をつかせるような真似はしていねえというんだ。