Classiques japonais avec furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lisez 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) de 長谷川 伸 (はせがわしん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 753 caractères · 192 écrans
お前がいくら何といっても、生みの母のあたしが見て、そうじゃないと思うのだもの。お帰り。さッさと帰った方がためなんだよ。
忠太郎 九ツの時に死にはぐったことは、正にあッしも憶えています。死んだというのは間違いで、忠太郎はこの通り、生きています。
おはま そんな手で這い込みはしないがいい。
忠太郎 這い込み。そうか、あっしを銭貰いだと思うのでござんすか。
おはま それでなくて何だい。
おせう (そッと急ぎ、板前、帳場などへ知らせに行く)
忠太郎 違う違う違います。銭金づくで名乗って来たのじゃござんせん。シガねえ姿はしていても、忠太郎は不自由はしてねえのでござんす。(胴巻を出し百両を前に)顔も知らねえ母親に、縁があって邂逅って、ゆたかに暮していればいいが、もしひょッと貧乏に苦しんででも居るのだったら、手土産代りと心がけて、何があっても手を付けず、この百両は永えこと、抱いてぬくめて来たのでござんす。見れば立派な大世帯、使っている人の数も夥しい料理茶屋の女主人におッかさんはなってるのかと、さっきからあッしは安心していたが、金が溜っているだけに、何かにつけて用心深く、現在の子を捉まえても疑ってみる気になりてえのか、おッかさんそりゃあ怨みだ、あッしは怨みますよ。