Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Lisez 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 586 caractères · 50 écrans
五十ばかりになる、肥えた、血色のいい男で、歩きだすとすぐに、胆石病の話を始めた。
「なにしろおまえさん、胆石病とくると木っ端へ火がついたようなもんさ、眉毛と眉毛の間に茶色の皺ができる、それが胆石病の始まりさね、うっちゃっとくとそれが黒味をもってくる、そうなったら療治はむずかしい、ぶち毀した長屋の古材木みたようなもんさ」
伊兵衛は例の如く感心し、巧みにおどろいたり感じ入ったりした。客は続けて、胆石病の痛みは丸鑿で揉まれるようだ、と云った。胃のさしこみは小刀で抉られるようだし、肝臓の痛みは錐で穴をあけられるようである。腸とくると錆びた鋸で挽かれるようだし、急性の腎臓は千本の針を突込んでかきまわされるようである。だがなんといっても、胆石病の痛みにまさる痛みはない。などとも云った。……伊兵衛はしまいには、あいづちの打ちようがなくなったので、やむなくこう訊いてみた。
「失礼ですが胆石病をわずらっていらっしゃるんですか」
「私が胆石病ですって」客はふり返って、心外なことを聞くものだ、とでも云いたそうな眼つきをした、「とんでもない、冗談にもそんな、私は脚気の持病こそあるが、胆石病なんぞにはまだお眼にかかったこともありませんや」