Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのうえのしも

雪の上の霜

山本 周五郎

Lisez 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 586 caractères · 50 écrans

Aozora Bunko

「はあ、そうでございますか」

「そうですとも、大仏さまの褌のようなもんでさあ」こう云いながら、客はさらに続けて、胆石病に効験のある薬とか、信仰するに適した神仏とか、秘伝のまじないとか、忌むべき飲食物などを挙げたうえ、「それからおまえさん、大事なのは寝る方角さね、胆石病には乾が禁物で、胆石病の者が乾の方角へ頭を向けて寝るのは、欠け茶碗をはだしで踏んづけるようなもんでさあ」

そんなことまで云うのであった。

道は峠にかかった。歩くうちに、汗ばむほど暖たかい日で、雪の斑に残った地面からは、しきりに陽炎が立っていた。客の饒舌に少しばかり飽きてきた伊兵衛は、峠にかかるとまもなく、うしろから来る二人の馬子の(聞えよがしな)たか声に気がついた。

「いつまで遠廻しに云ったってしようがねえ、相手はおめえそらを使ってるんだ、はっきりけじめをつけてやろうじゃあねえか」

「おらあ初めからそう云ってるんだ、仲山と吉田の建場だけでも十八人、指をくわえて見てるこたあねえやな」

明らかに暴力の暗示だった。これまでの、当てこすりやこけ威しとは調子が違っていた。まるで違っていた。そして、その意味をさらにはっきり聞かせるためだろう、二人の言葉はもっと強く、じかで、汚なくなっていった。