Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しもばしら
霜柱
山本 周五郎
Lisez 霜柱 (しもばしら) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 328 caractères · 29 écrans
一
一
「繁野という老職を知っているか」
「繁野、――」石沢金之助は筆を止めて、次永喜兵衛を見あげた、「老職には二人いるが、どうかしたのか」
「としよりの家老のほうだ」
「御家老なら兵庫どのだろう、むろん知っているが、それがどうした」
「おれはつくづく」と云いかけて、喜兵衛は石沢の机へ手を振った、「もう片づくんじゃないのか」
「そう思っていたところだ」
「じゃあ下城してから話そう」と喜兵衛は云った、「中ノ口のところで待ってる」
そして足早にそこを去った。
老いぼれの、田舎者の、わからずやのへちゃむくれめ、次永喜兵衛は心の中でそう罵っていた。中ノ口を出て、木戸のところまでいっても罵り続け、石沢が来るまで、通りかかる下役の者たちが挨拶をしてゆくのに、ろくさま会釈も返さず悪口を並べていた。
「家でいっしょに夕食をしてゆかないか」石沢は来るとすぐに云った、「このごろあらわれないので家の者たちが心配しているぞ」
「一杯やりたいんだ」歩きだしながら喜兵衛は云った、「むしゃくしゃしてやりきれない、どうしても今日は一杯やりたいんだ」
「そんな気持で飲んだってうまくないだろう、とにかく家へゆくことにしたらどうだ」