Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しもばしら

霜柱

山本 周五郎

Lisez 霜柱 (しもばしら) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 328 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

四

「草鞋代には多すぎるだろう」

「おいおい」男は片ほうの裾を捲って、裸になって膝がしらを叩いた、「おめえおれの云ったことを聞いていなかったのか、おれは九寸五分の義十といって、海道筋に人相書の廻っている男だぜ、五十両とは急場だからまけたんだ、取る気になれば百両、二百両でも取ってみせるぜ」

「面白いな」と喜兵衛が云った、「できるなら取ってみろ」

男の顔が屹と硬ばり、唇が一文字になった。喜兵衛は躯の筋をゆるめ、さあ来い、と相手の眼をみつめた。すると男は歯を出して笑い、裸の膝を叩いて「負けたね」と云った。

四

「いい呼吸だ、負けたよ」男は卑屈に笑って徳利を取り、それを口へ持ってゆきながら云った、「さすがに江戸育ち、本場で鍛えただけのことはあるぜ」

徳利の口から飲むとみえたが、いきなり肱を返して徳利を投げつけ、喜兵衛が躰を躱すところへとびかかった。かなり酔っている筈なのに、その動作は的確ですばやかったし、とびかかるとき右手で匕首が光った。喜兵衛は投げられる徳利は見ずにその匕首を見、自分から仰向けに倒れながら、突込んで来る相手の利き腕をつかみ、足をはねた。男は喜兵衛の上でもんどりを打ち、投げとばされた勢いで障子の際まで辷っていった。