Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きりのなか
霧の中
豊島 与志雄
Lisez 霧の中 (きりのなか) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 920 caractères · 40 écrans
――そういうことが人々に伝わって、南さんは二三の者から詰問されたらしいが、南さんは凡てを肯定して、そして、冷かな傲然たる態度を取っていた。
然しこの、三島さんの話もグループの話も、甚だ曖昧な漠然としたもので、正夫にもよくは分っていなかった。だがその頃、南さんはよく酒をのみ歩き、相当に放埓な生活をし、勉強などは殆んどせず、家にいる時は、寝ころんで何か考えてるかと思うと、いつのまにかうとうと眠ってるのだった。昼も夜もよく眠った。起きてる時は、何か落着きがなく、苛ら苛らして、二階の書斎に上ったり、庭におりたり、そして膝頭ががくがくし、手先が震え、眼付が沈んでいた。夜遅く外を歩き廻ることがよくあった。
或る夜、正夫はなんだか不安な気持で眼を覚した。何かの気配が自分の上におっかぶさってくるようだった。ぼんやり薄目をあいてみると、二燭光の電燈で、室の中が深々とぼやけている。その中に、大きな姿が自分の側にあった。その威圧に、身動きも出来なかったが、先方も不動のままだった。きちっと合わせた着物の襟、角ばった肩、斜にさし出されてる首、そして見覚えのある蒼ざめた顔が、顔全体が、こちらを覗きこんでいる。