Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 888 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

たぶん鰺だろうとにらんだが、鰺ならもうしゅんを過ぎているし、フライにしてからだいぶ時間も経つらしい。私が箸を取らないのを見て、二人の同伴者も箸を取らなかったし、鉄さんもとりたててすすめるようすはなかった。また、二人の同伴者は、喰べたり、飲んだりするよりも、自分たちの読んだ「青べか」の世界が、そんなになまなましく、眼の前に展開することのほうに、ずっと興味を唆られているようであった。

やがて長が来た。鉢巻のタオルが新しいのに替り、ズボンも新しいのに替えてあった。彼は「車をそこへ来さしてあんよ」と云って坐り、私の注いだビールをぎこちない手つきで啜った。酒のほうがいいかと訊くと、ビールで結構だと答えた。自分でもちょっと納得がいかないのだが、鉄なあこは「鉄さん」と呼びかけられるのに、長にはどうにも敬称が付けられない、つい「長」と呼びかけてしまうし、長のほうでも極めて自然にそれを受け止めてくれる、というあんばいであった。

「かんぷりっていう子はどうしているかね」

「かんぷり」長は首を捻った。

「ほら」と私は云った、「痩せっぽちで頭の鉢がひらいていて、泣き虫の子がいたじゃないか、慥か長と同級生だったと思うがね」