Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいねん
青年
Lisez 青年 (せいねん) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 670 caractères · 246 écrans
自分の隣にいた曽根も先生の前へ行っている。純一は丁度好いと思って、曽根の背後の方へ行って据わって、高山先生の話を聞いた。先生はこんな事を言っている。
「秦淮には驚いたね。さようさ。幅が広い処で六間もあろうか。まあ、六間幅の溝だね。その水のきたないことおびただしい。それから見ると、西湖の方はとにかく湖水らしい。好い景色だと云って好い処もある。同じ湖水でも、洞庭湖は駄目だ。冬往って見たからかも知れないが、洲ばかりあって一向湖水らしくない」
先生の支那に行かれた時の話と見える。先生は純一の目の自分の顔に注がれているのに気が附いて、「失礼ですが、持ち合せていますから」と云って、杯を差した。それを受けると、横の方から赤い襦袢の袖の絡んだ白い手がひょいと出て、酌をした。
その手の主を見れば、さっき踊っているのを、瀬戸が別品だと云って褒めた女であった。
純一は先生に返杯をして、支那の芝居の話やら、西瓜の核をお茶受けに出す話やらを跡に聞き流して、自分の席に帰った。両隣共依然として空席になっている。純一はぼんやりして、あたりを見廻している。
同じ列の曽根の空席を隔てた先きに、やはり官吏らしい、四十恰好の、洋服の控鈕の孔から時計の金鎖を垂らしている男が、さっき三味線を弾いていた、更けた芸者を相手に、頻りに話している。