Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいねん

青年

森 鴎外

Lisez 青年 (せいねん) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 670 caractères · 246 écrans

Aozora Bunko

「何か肴があるなら酒を一本附けて来ておくれ。飯は済んだのだ」

「煮肴がございます」

「それで好い」

角刈の男は、形ばかりの床の間の傍の押入れを開けた。この二階にも床の間だけはあるのである。そして布団と夜着と括り枕とを出して、そこへ床を展べて置いて、降りて行った。

純一は衝っ立ったままで、暫く床を眺めていた。座布団なんと云う贅沢品は、この家では出さないので、帽をそこへ抛げたまま、まだ据わらずにいたのである。布団は縞が分からない程よごれている。枕に巻いてある白木綿も、油垢で鼠色に染まっている。

純一はおそるおそる敷布団の上に据わって、時計を出して見た。もう殆ど十二時である。なんとも名状し難い不愉快が、若い、弾力に富んでいる心をさえ抑え附けようとする。このきたない家に泊るのが不愉快なのではない。境遇の懐子たる純一ではあるが、優柔な effmin な人間にはなりたくないと、平生心掛けている。折々はことさらに Sparta 風の生活をして見ようと思うこともある位である。しかしそれは自分の意志から出て、進んで困厄に就くのでなくては厭だ。他働的に、周囲から余儀なくせられて、窮屈な目に遭いたくはない。