Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいねん
青年
Lisez 青年 (せいねん) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 670 caractères · 246 écrans
女は短い笑声を漏した。「いいえ。それでは宜しゅうございます。どうせ起して貰うように頼んで置きましたから」
こう云ったきり、女は黙ってしまった。純一はやはり強情に見ずにいる。女の寐附かれないらしい様子で、度々寝返りをする音が聞える。どんな女か見たいとも思ったが、今更見るのは弥間が悪いので見ずにいる。そのうちに純一は又寐入った。
朝になって純一が目を醒ました時には、女はもういなかった。こんな家で手水を使う気にもなられないので、急いで勘定をして、この家を飛び出した。角刈の男が革包を持って附いて来そうにするのをもことわった。この家との縁故を、少しも早く絶ちたいように思ったのである。
湯本の朝日橋まで三里の鉄道馬車に身を托して、靄をちぎって持て来るような朝風に、洗わずに出た顔を吹かせつつ、松林を穿ち、小田原の駅を貫いて進むうちに、悪夢に似た国府津の一夜を、純一の写象は繰り返して見て、同じ間に寝て、詞を交しながら、とうとう姿を見ずにしまった、不思議な女のあったのを、せめてもの記念だと思った。奉公に都へ出る、醜い女であったかも知れない。それはどうでも好い。どんな女とも知らずに落ち合って、知らずに別れたのを面白く思ったのである。