Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おんぱのさつじん

音波の殺人

野村 胡堂

Lisez 音波の殺人 (おんぱのさつじん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 399 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

千種は時間も疲れも超越して、三面六臂振りを発揮しました。

「岡崎は隣室で、カクテルを拵えて居た相だ、藤井は若菜とピアノの前に掛けて、ジャズか何んかを連弾して居た相だ、――連弾ピアノの音と、若菜の歌が聴えて居たって言うからこれは嘘じゃ無い」

「それから」

「ピアノの最高音と、柱時計の十一時を打つ音と、消音装置をした拳銃の音と一緒だった相だよ、若菜と並んでピアノを弾いて居た藤井が、若菜が撃たれたのも知らずに、三四小節先まで一人で弾いて行って、若菜が後ろへ引っくり返ったんで気が付いた相だ」

「フム、それから――」

千種十次郎の鉛筆は、恐ろしいスピードで動きます。早坂勇の電話が、直ぐ文章になるのは、長い間の熟練で、こればかりは、どんな名文家も真似の出来ない芸当です。

「起して見ると拳銃の弾丸が、左背中の肩甲骨の下から、心臓の真ん中を射貫いて居た、――其処へ隣室の岡崎も、廊下に居た鳥子も、女中や弟子達も駆け付けたんだ」

「兇器は?」

「ピアノから一間ばかり後ろ、入口の扉と死骸の間に落ちて居た。支那絨毯の上へ――」

「フム」

「幸い岡崎敬之助はアマチュアだが探偵小説も書くので、死骸にも拳銃にも手を触れさせず、直ぐ所轄署へ電話をかけた」