Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かぜはささやく

風はささやく

小川 未明

Lisez 風はささやく (かぜはささやく) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 961 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

た。

こうした社会を見、こうした現実を知るとき、彼は、余の人のごとく、平然たることができなかったのです。ただ聰明をかいたがため、階級に対しては、組織ある闘争でなければならぬのを、一途に身をもって、憎いと思う対象にぶつかりました。それ故に、結局へとへとになって、揚句は酒場で泥酔し、わずかに鬱を晴らしたのです。彼は、芸術を商品に堕落さしたやからをも憤りました。街頭へ身をさらし、雪まじりの風の吹く中で、バイオリンを弾き、悲痛の唄をうたって、道ゆく人の足を止めようとしました。けれど畢竟自分を慰め、苦痛を忘れさせるものには酒以外ないことを知ったが、生まれた日から、今日まで、瞬時も休まず鼓動をつづける心臓に触れて、愕然として、彼は、真に自身をあわれむ気が起こったのでした。

ほんとうに、ブルジョアに隷属する彼らが、よどんだ沼の中につながれた材木であり、縛ったなわもろとも、いつか腐る運命にあるなら、彼は、さながら激流の彼方の岸、此方の岩角と衝突しながら、漂いいくいかだのごときもので、時代の犠牲たることに異いがなかったのです。

ある日、彼は、若い時分、下宿していたことのある所を通りました。