Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans
と思うと姿が見えない!
対手の姿は見えないで、そこには濛とした血煙だけが残っていた。衆は渦を巻いて混乱し、一人は真一文字に走っているのだ。
「のがすなッ」
タタタタッと、八、九人は駈けつづけたが、それも、追いつくたびにただ一刀で薙ぎ伏せられた。虎乱の太刀風、獅子刀の切ッ尖、寄るべくもない鋭さで、彼の行くあと行く跡へ、幾人かの若侍が苦鳴と血煙をあげてぶっ仆れた。
「ええ、これほどの手配りを破られたか」と、歯軋りをした天堂一角、樫柄の槍を抱えなおして、疾風のごとく追いかけたが、その寸隙に十間ほどの隔りができていた。
弦之丞は、一八郎を救うこと、またお米のことも諦めてしまった。今はこの屋敷から身を脱するだけが容易でない。しかし、綱倉から例の誓文神の祠へ出る抜け道までは、さほど遠くなく、充分地の理も見究めてあるので、やや窪地になった藪の中へザッ――と姿を隠してしまった。
途端に、彼の隠れた所から、ものの四、五尺と離れていない銀杏の幹へ、プーン! と凄い音がして一本の飛槍が突き立った。
刺さった樫柄の震動が止まらぬうちに、駈けてきたのは、それを投げた天堂一角。