Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans

Aozora Bunko

変化小路

ああ、救ってやりたい。

養父の行いは憎いが、罪のない妹たちを。

一つ――久しぶりに、たんまりとありそうなふところを狙って、妹の身請の金と、あとの二人が幸福になれるだけの金を稼いでやろうか。――なんの造作もない朝飯前のひと仕事に。

ふッと、そんな気がさした。

おはぐろ溝の暗いかげから、お綱は明るい方へあるきだした。しだれ柳、辻行燈、編笠茶屋の灯などが雨のように光る中を、土手から大門へと、四ツ手が駈ける、うかれ客が流れこむ、投げ節がよろけて行く。

お綱の名と姿に似る、衣紋坂の見返り柳――その小暗いかげにたたずんで、かれは、密かにあてを狙っていた。

金のありそうな人間のふところ。

変化小路

二百両もあったらいい。

廓にいる妹をひかして、余った金は意見に添えて、養父にくれてやるとしよう。そしたら、少しは心を入れ代えて、お三輪や乙吉にも、あんなむごい稼ぎはさせまい。

二百両――大したことでもありやしない。

だが、その金は、お綱が自分のふところの物を勘定するのではなく、これから、行きずりの人様から、拝借しようというのである。

かれは、頭巾姿の身をすぼめて、見返り柳から土手のあたりを、小刻みに歩きだした。