Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans

Aozora Bunko

しまった! そう感じたものらしい。右手に持っている助広の柄頭で、イヤという程、喉を締めている相手の腕を撲った。

襟の力が緩んだので孫兵衛は死に身になってはね返った。と一緒に、突き飛ばした深編笠の影へサッと斬りつけたが、かれも咄嗟に尺ばかりな物を懐から抜いて受けとめた。

小太刀かと見えたが、それは銀磨きの十手である。もぎりへ辷りこんだ孫兵衛の刃が、鏘然として火を降らした。

と、孫兵衛は、腕の筋へ稲妻が来たように、ブルブルとしびれを感じた。十手のもぎりに刀を絡み込まれたのである。あっ! と引っぱずしたがその刹那に、駄目だ! 歯が立つ相手ではない! こういう見きりをつけてしまった。

で、お十夜孫兵衛は、心に周馬の卑劣を憤りながら、やむなく、自分もそこを逃げだした。

編笠の侍は、野袴の土をはらって後ろに立っていた。そして周馬が念入りにからげておいた駕の方を差し覗いて、

「オオ……やはりお千絵殿に相違ない」とうなずいた。

やがて駕屋を呼び立てると、その侍は、にわかにどこかへ向って息杖を急がせた――一挺の駕にはお千絵様の体をそのまま乗せ、後の駕には自身が乗って――