Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lisez 黒百合 (くろゆり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 148 caractères · 154 écrans
島野ッてね、あのひょろ長え奴が意気地なしで、知事を恐がっていやあがるから、そこが附目よ。俺に何か言われちゃあ、後で始末が悪いもんだから、同類の芋虫まで、自分で宥めて連れて行ったまでのこッた。敵が使ってる道具を反対にこっちで使われたんだね、別なこたあねえ、知事様がお豪いのでござりますだ。」といって事も無げに笑った。
「それじゃあ滝さん、毒をもって毒を制するとやらいうのかい。」
「姉や、お前学者だなあ、」
「旦那、御串戯もんですよ。」と斉しく笑った。
身装は構わず、絞のなえたので見すぼらしいが、鼻筋の通った、眦の上った、意気の壮なることその眉宇の間に溢れて、ちっともめげぬ立振舞。わざと身を窶してさるもののように見らるるのは、前の日総曲輪の化榎の下で、銀流しを売っていた婦人であって――且つ少かりし時、浅草で滝太郎に指環を与えた女賊白魚のお兼である。もとより掏賊の用に供するために、自分の持物だった風変りな指環であるから、銀流を懸けろといって滝太が差出したのを、お兼は何条見免すべき。
はじめは怪み、中は驚いて、果はその顔を見定めると、幼立に覚えのある、裏長屋の悪戯小憎、かつてその黒い目で睨んでおいた少年の懐しさに、取った手を放さないでいたのであったが。