Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしがおごる

いしが奢る

山本 周五郎

Lisez いしが奢る (いしがおごる) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 304 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

と云うのが口癖であった。保馬にも三度ばかり云ったが、そのたびに保馬は手厳しくはねつけた。

「あら、どうしてですか、あたし奢りたいんですもの奢らして下すってもいいでしょう」

保馬は「あまくみるな」などと云ってとりあわなかった。

七月から八月へかけて、殆んど三日に一度ぐらいずついしと会った。能登屋や角屋たちと飲むときは、湖月か田川屋という料亭であるが、酌に出る仲居たちから聞くのだろう、「あとで来てもらいたい」などという手紙を使いに持たせてよこした。

「よさないか、みっともない」保馬はいつもにがい顔をした、「わけもなにもないのに、人がなんだと思うじゃないか」

「あら、いしはちっとも構いませんわ」

「いい人に聞えてもか」

「もちろんですわ」云いながら赤くなる、「いしは信用があるんですもの」

眼尻が下り、唇がゆるんで、ばかばかしいほどあまったるい顔になる。すると保馬は舌打ちをし、にがにがしげに云うのであった。

「なんというだらしのない顔だ、紐を緊めろ」

保馬はいしにだけは荒い口のきき方をした。遠慮なく悪口を云い、ぴしぴしとやっつけた。いしに向うとしぜんにそうなるのであった。