Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
Lisez いしが奢る (いしがおごる) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 304 caractères · 45 écrans
八
「ばかなまねをして、なんというやつだ、死ぬと命がなくなるんだぞ、これで死ぬと命がないぞよって、芝居のせりふにもあるじゃないか、おまえ知らないのか、いし」彼は笑おうとした、しかしむろん笑えはしなかった、「そうだもっと吐け、もっと、その胸からなにもかも出してしまえ、そうすればさっぱりする、おれからも褒美をやるよ」
千之助が戻って来た。大きな茶碗を二つ、そこへ置くとすぐ、彼はまた水を取りに引返した。保馬は続けて卵白を飲ませ、そして強引に吐かせた。
「――どうぞ、お口から……」
いしが潰れたような声で云った。慥かにそう云ったように、保馬には聞えた。口移しにしてやると、いしの唇は保馬のにつよく吸いついた。――暗くなってきた庭の、松林の中で、なんの鳥か、けたたましく鳴きだした。
八
堀勘兵衛は七時ごろに帰って来た。
いしは眠っていた。小屏風をまわした夜具の中で、仰向きに寝て、片手でしっかりと保馬の手を握っていた。行燈の光が届かないので、おどろくほど顔がやつれてみえる。熟睡しているらしいが、ふとすると眼をあけて、不安そうに保馬を見た。そして彼の手を握っている指も、ときをおいて強くひきつり、彼の指を緊めつけた。